古物商許可申請手続
1.古物商許可申請とは
古物商許可申請とは、古物営業法第3条に基づき、この営業を行う者は「所在する都道府県ごとに、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない」、とされております。
また、こちらでいう古物とは「一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。」(古物営業法第2条第1項)
何とも長々しいですが、一般的に中古品と呼ばれるものを業として反復継続的に売買するようであれば、こちらの許可を受けなければなりません。
そのようなことから、新品をメーカー等から購入して、他者に売却して利益を得るような場合、許可は不要です。
2.許可を受けるための要件
① 申請者が欠格事由などに該当しないこと
こちらは、この申請をする際に、法務局発行の「登記されていないことの証明書」及び市区町村役場発行の「身分証明書」の提出を求められます。その内容としまして、申請者が「成年被後見人」・「被保佐人」・「破産者」でないことを証明するものとなっており、こちらに該当する方は、申請が受理されないことから、復権を待ってから申請すると良いでしょう。また、申請者が外国籍者の場合は、市区町村発行の「身分証明書」は取得できませんので、法務局発行の「登記されていないことの証明書」のみで結構です。※外国籍者が「登記されていない証明書」を取得する際は、国籍を忘れずに記載してください。当事務所の経験則上、国籍の記載を忘れる方が多数いらっしゃいます。記載内容に洩れがあると、申請書類不備を理由に、申請が受理されません。
② 申請者が法人であれば定款等の目的に注意
それから、「定款」及び「履歴事項全部証明書」中に、古物営業を行う旨の記載がなければなりません。既に設立済みで、その旨の記載がない場合は、臨時株主総会議事録又は、早急に定款の目的変更を行う旨を記載した「確認書」を提出することにより、申請は受理されます。この場合、なるべく早く目的追加の手続をとりましょう。
③ 営業所(及び買取り品の保管場所)の確保
こちらは、古物商を営むにあたりその事務所が確保されているかを、確認されます。※その事務所が申請者の持ちビル内にある場合や持家であれば問題ありません。
そのようなことから、賃貸借契約書等が申請者名義の契約ではない場合(親会社名義・法人であれば代表者の個人名義など)は、大家様から「古物商を営む事務所とする旨、使用承諾書」が発行してもらえれば大丈夫です。また、マンションの1室などを賃貸や分譲を受けている場合、使用目的が居住用となっていないか又は、営業禁止となっていないか確認が必要です。こちらに該当する場合も、大家様や管理会社から古物商営業の事務所として、使用承諾書をいただければ問題ありません。
更に、買取り品が自動車などの場合、保管場所も同時に確保しなければなりません。その場合、その場所が賃貸であれば賃貸借契約書コピー、自宅の敷地内など自己所有の場合は、図面や写真など保管場所を確認出来る資料を添付します。
④ 管理者の常勤
こちらは、古物商を行うにあたり、取引の管理・監督・指導を行える者を常勤させなければなりません。そのようなことから、その本人が営業所から遠方に居住していて、営業所への通勤が困難な場合や勤務地が相違するなどの場合、その方は管理者として認められません。
また、古物営業の管理・監督・指導を行わなければならないので、古物営業に係る知識が身についてなければなりません。そのようなことから、各警察署では、「古物営業講習会」を定期的に開催しておりますので、積極的に参加することをお薦め致します。※古物商許可を受けた後、管轄の警察署からもその案内を受けます。
⑤ URLを届出る場合、プロバイダ等の資料
こちらは、インターネットを介して中古品を売買する方のみが対象になります。
尚、申請の段階では提出しなくても受理はしてもらえますが、詳細をご参照のとおり、設定後必ず管轄の警察署へ届出を行わなければなりません。
3.申請から結果までの流れ
Ⅰ.申請にあたっての申請書類の作成及び必要書類の収集
申請書類の作成は、当事務所にご依頼いただいても作成することは可能です。しかし、必要書類はいずれにしてもご自身で収集していただかなくてはなりません。
Ⅱ.主たる事務所を管轄する警察署の防犯係に申請致します。
Ⅲ.書類に不備がなければ、同警察署内の会計係窓口にて手数料として、現金19,000円を納め、領収証控えを防犯係に提出します。尚、結果までに30日~40日要します。
※申請結果の許可・不許可に関わらず、納めた手数料の返金はありません。
Ⅳ.結果が出ますと、申請者宛に直接電話にて連絡があります。
Ⅴ.受取日に管轄の警察署に赴き、許可証を受取ります。
営業開始
4.営業開始後にすること
許可証の有効期間は、古物商営業を廃業しない限り、ずっと有効です。尚、商号や代表者、管理者などに変更があった場合には、変更のあった日から14日以内に届出及び、許可証の内容を変更する場合には、その書換えも同時に行わなければなりません。
また、許可証を紛失した場合は許可証の再交付申請を行い、古物商営業を廃業する場合などは、許可証の返納義務がありますので忘れずに行ってください。