2015年4月1日より入管法改正:4点の改正ポイントを解説

2015年4月1日より、改正入管法が施行されております。改正内容は、大きく4点あります。

1.高度人材のための新たな在留資格「高度専門職」の創設

 改正前も、高度人材(現行の外国人受入れの範囲内で、経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人)の制度は存在していたのですが、あまり浸透していなかったように思います。

 そのようなことから今般、この方達のために、新しい在留資格が創設されたことにより、より一層この制度の活用が期待されています。

 詳細は、今後の新着情報でアップしていきますが、所定のポイント表に基づき70ポイント以上を満たしかつ年収300万円以上の方が対象となります。※年収300万円基準は、研究者など一部除外となる職種(高度専門職1号・2号(イ))あり。

2.在留資格「投資・経営」が「経営・管理」に変わりました。

 名称変更はさることながら、この在留資格を取得する場合改正前は主に「外国資本との結びつき」が大前提となっていました。しかし、日系企業の代表者などを外国人の方が務めることが多くなった今、いちいち外国資本との結びつきを許可基準として設けておくことは、日本経済の活性化などに鑑みても、ナンセンスです。

 そのようなことから、今般その外国資本との結びつきを撤廃し、外国人経営者へのより流動的かつスムーズな事業承継が行われていくことが、今後期待されています。

3.在留資格「技術」と「人文知識・国際業務」が一本化されました。

 今まで、一般的には理系の業務に就く方を「技術」、文系の業務に就く方を「人文知識・国際業務」と在留資格が厳密に分けられていました。

 しかし、実際にそれぞれの在留資格にて勤務する場合、企業によっては、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を行ったりする場合に、その本人をある程度広い業務に従事させることが多くなってきます。このようなことが、雇用前から想定される場合、一体どちらの在留資格で申請すればいいのかが、グレーでした。

 また、企業での業務も多様化し、理系・文系の業務区別が果たして必要なのかという、疑問も生じますし、海外との取引をeコマースで行うことなど日常茶飯事です。

 そのような企業ニーズに柔軟に対応するために、今般在留資格が一本化され名称も「技術・人文知識・国際業務」と統一されました。

4.在留資格「留学」の範囲が小学校及び中学校まで広がりました。

 こちらのみ、平成27年1月1日からスタートされています。

 今まで、在留資格「留学」で入国する場合、高等学校以上の教育機関しか認められていませんでした。こちらも、国策ですが少子高齢化に伴い、高等学校からの外国人受入れでは、定員割れなどにより学校経営が厳しくなってくることが予想されます。

 そのようなこともあり、名目上は「低年齢からの国際交流促進に資するため」となっておりますが、上記したとおりですので、小学校や中学校から外国人を広く受入れることによって、定員を確保するという政府の意図が見られます。

 しかしながら、外国人にとっては、教育水準が高い日本において、初等教育から学ばせられることが出来るということは、子を持つ親にとって大変魅力的であるのは事実です。

 このように、日本と海外各国との双方の妥協点が合致したことにより、在留資格「留学」の教育範囲が広がったことは、今後日本において大きなメリットとなることでしょう。

※下記URLは入国管理局の案内ページ

http://www.immi-moj.go.jp/nyukan2015/