2015年4月1日の入管法改正、新しい在留資格「高度専門職」のまとめ

 2015年4月1日より、改正入管法が施行され、新しい在留資格「高度専門職1号(イ)・(ロ)・(ハ)」及び在留資格「高度専門職2号(イ)・(ロ)・(ハ)」が創設されました。

1.高度専門職とは

 改正前からも、高度人材(現行の外国人受入れの範囲内で、経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人)制度として、設けられていたのですが、在留資格も「特定活動」というカテゴリーの中にて運用されていたため、一般的にはわかりにくいものでした。そこで、今般明確な在留資格として「高度専門職」が創設されたわけです。

高度専門職(イ)

 大学等の教育機関で勤務する教授や研究所などで勤務する研究員など。

高度専門職(ロ)

 一般企業にて勤務する、理系・文系職に従事する方など。

高度専門職(ハ)

 会社経営や企業の管理職などの高級職に従事する方など。

2.申請の対象者と優遇措置

 リンクしております、ポイント計算表に基づいてそれぞれ該当するカテゴリーに応じて、70ポイント以上を満たす方が対象です。※但し、高度専門職(ロ)・(ハ)に関しては、最低年収基準として300万円以上が求められます。

Ⅰ 在留期間5年を付与

 他の在留資格ではあくまで、入国管理局の裁量で在留期間年数が決定されますが、高度専門職の場合は、一律に5年が付与されます。

Ⅱ 永住許可要件の緩和

 他の在留資格では、原則10年の滞在歴が必要ですが、高度専門職の場合は変更後5年の滞在歴があれば、永住許可の対象となります。

Ⅲ 審査の優先処理

 日本に既に滞在中の方が、在留資格変更許可を行う場合は、概ね5日以内、海外から招へいされる場合は概ね10日以内で結果が通知されます。

Ⅳ 配偶者の就労

 在留資格の本体となる者の配偶者が、仕事をするにあたっては、その仕事内容に合致する在留資格を取得するか、資格外活動許可を得て就労時間制限(週28時間以内)内で、働くことしか認められておりません。

 しかし、高度専門職の外国人配偶者は、勤務先との契約で日本人と同等額以上の給与をもらえるのであれば、日本人と差がなく勤務することが可能となります。※この場合、配偶者の在留資格は「特定活動」となります。

Ⅴ 親の帯同

 現行上では、長期的に親の帯同を認める在留資格がありません。しかし、高度専門職外国人の親またはその配偶者の親であれば、一定の条件のもと親の帯同が認められます。※7歳未満の子がいることや、世帯年収が800万円以上であることなどが求められます。

Ⅵ 家事使用人(メイド)の帯同

 現行上で、家事使用人の帯同は在留資格「経営・管理」及び「法律・会計業務」等で滞在する、一部の外国人にしか認められておりません。しかし、高度専門職の方は一定の条件のもと、入国と同時に帯同させるか、または家庭内の事情において帯同させることが可能となります。※世帯年収が1000万円以上あることなどが求められます。

 また、在留資格「高度専門職1号(イ)・(ロ)・(ハ)」から「高度専門職2号(イ)・(ロ)・(ハ)」への変更は、在留資格「高度専門職1号(イ)・(ロ)・(ハ)」で3年の活動を行った後に、申請することが可能となります。※変更の際には、あらためて上記したポイント表を添付し、その申請日時点で70ポイント以上を満たす必要があります。

 在留資格「高度専門職2号(イ)・(ロ)・(ハ)」は、在留期間が無期限となることが最大の特徴です。

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